総会記念講演 社会から見た適格消費者団体 ~活動の異議付けと課題~
講師:消費者市民ネットとうほく理事 福島大学准教授 中里真先生
開催日/2019.07/13
とちぎ消費者リンクは、適格消費者団体の認定を受けたばかりであるところ、先輩である消費者市民ネットとうほくの理事である福島大学准教授中里真先生に、記念講演をしていただきました。特に参考になった点について、書いてみたいと思います。
- 行政との関係について
- 補助金を受けたり、受託事業をしたりしている。そのほか、仙台市への消費生活審議会への参加、消費生活パートナー養成講座への講師派遣、消費生活パネル展などの機会を得ている。これらの活動をてこに、福島県や青森県との意見交換をしたり、福島市民のくらし展で「適格消費者団体紹介」を展示したりするなど、他の行政機関への働きかけも行っている。
- 事業者との関係について
- 誠実に活動をしていくなかで、新たな関係をつなぐことができる。ネット東北では、中古車販売会社との間で、車両買取に関するキャンセル料条項が法律に違反するとして是正を申し入れ、一部改訂の回答を得た。HPに公表した際、(一社)日本自動車購入協会から、同協会の示すモデル約款では、キャンセル料を許容しない方向で業界全体に働きかけているところ、もっと強く、事業者へ働きかけをすべきではないかとの指摘を受けた。 学習会の講師についても、消費者問題に関わっている方ではなく(一社)全国賃貸不動産管理業協会会長、(公社)宮城県宅地建物取引業協会会長にしてもらった。会長には、ネットとうほくの団体正会員にもなってもらっている。事業者団体の目を消費者団体内に入れることは、申し入れ等の適正さにも反映される。
NPO法人を設立したときから、行政との関係をどのようにしていくのかという点は課題でした。審議会への参加を試みるというのは、県内での適格消費者団体の認知をあげるためには、有効な方法の1つではないかと思いました。 とちぎ消費者リンクが、社会的な信頼を得るためにも、社会全体からどのような存在であるのかということも意識しなければなりません。健全な事業者・事業団体から見て、社会のために活動する消費者団体であると思われる必要があります。そのため講師として招いたりして、当団体について理解してもらうことも検討してもよいのではと思いました。
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